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トルクレンチの選び方&おすすめ【初心者の方、車・バイク・自転車の整備】

目次

トルクレンチとは

わたしたちが普段なにげなく乗っている車、そのタイヤはホイールナットでしっかりと締め付けられています。

この「締め付け」、力任せに「えいやっ!」と締められているわけではなく、きちんした数値で管理されているということはご存じでしょうか?

この数値を「Nm(ニュートンメートル)」で表記し、世界共通のトルク単位として定められているのです。トルクの数値表記は他にも「kgf·m(キログラムメートル)」など色々あるのですが、このページではNmに統一して表記したいと思います。

さて、規定のトルクが決まっているものは車のホイールだけではありません。ボルトやナットなどのネジが使われているバイクや自転車はもちろん、橋脚やビルディングの骨組みにいたるまで、様々な場所に存在します。

締め付けがきつくてもダメ、ゆるくてもダメ・・・。その規定トルクで締め付けたり、締め付けられているか確認するものが、トルクレンチなのです。

トルクレンチの種類

プリセット型

一般的にトルクレンチと言うと、この形をイメージする方が多いようです。

「pre(前)」+「set(合わせる)」の名前の通り、トルクの測定前に、あらかじめ締め付けたいトルクの値を設定します。この場合、グリップ部分を回転させてセットするものが多いです。

締めつける力がセットしたトルク値に達すると、軽いショックとクリック音(カチッという音)でお知らせしてくれます。

デジタル型

これも使用前にあらかじめセットする点ではプリセット型と同様ですが、その設定方法はトルクレンチ本体に取り付けられたインジケータで行います。

インジケータには設定するトルク値がデジタル表示され、ボタンでトルク値を設定します。

測定の際、設定したトルク値に達するとピーというビープ音を発すことでお知らせしてくれます。モデルによっては、設定値に近づいた段階からピッピッと断続的に音を発し、作業者に対しあらかじめ教えてくれるものもあります。

また、これもモデルによりますが、現在締め付けているトルク値をリアルタイムに表示することができます。

直読型

直読型の名の通り、本体にアナログゲージやトルク値の刻印されたプレートが設置されているモデルが主に挙げられます。測定時には、ゲージやプレートの針が指す数値を読み取って使用します。

また、比較的高トルクの測定が可能なモデルが多いのも特徴のひとつです。

トルクレンチの選び方

車に使う

トルクレンチを車に使う目的でご来店頂く際には、タイヤのホイールナットの締め付けの際に用いる方が多くいらっしゃいます。

タイヤのホイールナットは、車種にもよりますが、普通車や軽自動車であれば100Nm前後が規定トルクとなります。規定トルクはサービスマニュアルなどに記載がありますのでご自身でご確認する事をオススメします。

ホイールナットの締め付けには、以下がおすすめです。

AP 1/2DR プリセット型トルクレンチ TQ969

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AP 1/2DR プリセット型トルクレンチ TQ969

AP 1/2 プリセット型 トルクレンチ

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AP 1/2 プリセット型 トルクレンチ

AP 1/2DR デジタルトルクレンチ

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AP 1/2DR デジタルトルクレンチ

100Nmは意外と力が必要ですので、比較的長さがあり力が掛けやすい、1/2DRのトルクレンチが最適です。

スパークプラグなどの締め付けは、10〜20Nmのものが多いようです。こちらがおすすめです。

AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ988

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AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ988

最後に、エンジンオイルを排出するためのドレンボルトは、概ね30〜40Nmであることがもっぱらです。アルミ製のドレンボルトの場合にはそれよりもやや低い20〜30Nmに設定されているようです。

AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

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AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

などがおすすめです。

作業の目的、締め付けトルクの範囲で、3本を使い分けるのがベストです。

バイクに使う

バイクの部品は小さいものも多く、車ほど高トルクは必要ではない場合がほとんどです。

このため、通常の点検・整備は3/8DRがおすすめです。

AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

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AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

他、細かい箇所などになると、低いトルクも測定でき小回りのきく、1/4DRがおすすめになります。

AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ970

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AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ970

自転車に使う

自転車もやはり様々な部品に規定トルクが存在します。ただし、車やバイクほどの高トルクは必要ではありません。

ステムなどに用いられている小さいネジは、おおよそ10Nm以内のものがほとんどです。

低トルクの測定ができる、以下がおすすめです。

AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ970

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AP 1/4DR プリセット型トルクレンチ TQ970

ただし、ボトムブラケットなどになると、60Nm程度に定められていることが多いようです。

AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

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AP 3/8 プリセット型 トルクレンチ

などがおすすめです。

測定範囲で選ぶ

プリセット型トルクレンチの測定範囲のうち、下限値と上限値の近辺では精度が少し落ちるため、余裕を持った測定範囲のものをおすすめします。

トルクレンチ測定範囲グラフ

トルクレンチの注意点

緩め作業に使わない

トルクレンチは、締め付けトルクを確認するための工具です。大きな形状の上、ラチェット機構が備わっているので、ついつい緩め作業にも使ってしまいそうになりますが、測定性能に狂いが生じる可能性もありますので、緩め作業には使用しない方が良いでしょう。

二度締め禁止

プリセット型ではカチッという音、デジタル型ではビープ音がすれば「規定トルクに到達したよ」というお知らせになります。ここからさらに締め付けてしまうと、規定トルクを超過してしまうことになります。

力を掛けすぎない

トルクレンチには、持つ位置が決められています。大抵はグリップにマークが付いているので、それを目安にします。

狭い場所での作業だから・・・と柄の部分を持って作業したり、足で踏みつけて締め付けることも、間違った締め付けになります。

落としたり投げたりもダメ

トルクレンチは、精密機械の側面もあります。内部に組み込まれているバネでトルクを測定するため、落としたり投げたりといった衝撃はトルク測定値の狂いの原因になります。

保管時のトルク設定は・・・

次また使うときに設定トルクが分からなくなるから、と、トルク値を使用したままの設定で保管するのもNGです。

内部のバネが本来の性能を出せなくなる事があり、測定トルクが狂ってしまうのです。

久しぶりに使う前にトルクチェックを

アストロプロダクツでは、トルクレンチの測定値が正常かどうかの確認をする、トルクチェックを行っています。

タイヤ交換の半年に1度しか使わないよ! という方は、ご使用前にトルクチェックを行っていただく事をオススメします。

また、モデルによっては、狂った測定値を修正する「校正」もお引き受け致します。

最後に

規定トルクが設定されているのは、そのモノの重要な箇所であることがほとんどです。

設定ごとにトルクレンチを上手に使い分けるのがオススメです。

それでは、みなさまも素敵なトルクレンチ・ライフを!