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ブレーキフルードとは? 交換時期や交換方法、おすすめ商品まで詳しく解説

ブレーキフルードとは? 交換時期や交換方法、おすすめ商品まで詳しく解説

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ブレーキフルードは車のブレーキ性能を左右する重要な液体です。その役割や適切な交換時期、さらにはDIYで交換する方法を知りたい人も多いのではないでしょうか。この記事では、ブレーキフルードの基礎知識からセルフ交換の手順、選び方やおすすめ商品まで詳しく解説します。自分でブレーキフルードを交換しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ブレーキフルードとは?

まずブレーキフルードとは何か、基本を押さえておきましょう。

ブレーキフルードの基本的な役割

ブレーキフルードとは、車のブレーキペダルを踏んだ際の力を車輪のブレーキ装置に伝える役割を担う液体です。自動車に使われている油圧式ブレーキでは、ペダル操作によってマスターシリンダーが圧力を発生させ、その圧力がフルードを介してブレーキシステムを構成する各部品に伝えます。マスターシリンダーは、ペダルからの力を油圧に変換し、ブレーキシステム全体に効率的に力を伝える重要な部品です。

車の制動性能を高く維持するためには、ブレーキフルードの品質が重要なポイントです。ブレーキフルードの品質が低下すると、制動力が落ちる恐れがあります。そのため、ブレーキフルードの管理は車両の安全性に直結する要素といえます。

油圧式ブレーキとブレーキフルードの関係

前述したように、油圧式ブレーキはブレーキフルードを利用して車を減速または停止させる仕組みです。

・ペダル操作:ブレーキペダルを踏むと、マスターシリンダーにより圧力が発生
・圧力の伝達:発生した圧力がブレーキフルードを介し、各車輪のブレーキキャリパー(ディスクブレーキ)やホイールシリンダー(ドラムブレーキ)に伝わる
・制動力の発生:ブレーキフルードがキャリパーを動かし、ブレーキパッドやブレーキライニングが車輪を押さえ込むことで車両が減速・停止する

ブレーキフルードが効率よく圧力を伝達することで、スムーズで確実な制動力が得られます。しかし、ブレーキフルードが劣化すると、ベーパーロック現象が発生し、ブレーキの効きが悪くなる恐れがあります。ベーパーロック現象とは、ブレーキフルードが高温で蒸発し、発生した気泡が圧力伝達を妨げてブレーキが効かなくなる現象です。特に急ブレーキや長時間のブレーキ使用時に問題となるため、安全な運転を支えるには、ブレーキフルードの定期的な点検と交換が欠かせません。

ブレーキフルードの規格の歴史

ブレーキフルードの規格は、アメリカ運輸省(DOT)が策定した米国連邦自動車安全基準(FMVSS)に基づいており、「DOT(ドット)規格」と呼ばれています。DOT規格は、車両の安全性向上を目的に導入され、ブレーキフルードの沸点や粘度を統一基準として明確化したものです。またブレーキフルードの品質保証における国際的な指標となり、現在の車両の安全性を支える重要な基盤となっています。

初期にはDOT3が登場し、その後、高温性能を強化したDOT4、さらにシリコン系の特性を持つDOT5へと進化を遂げています。数字が大きいほど性能が高いですが、一般車両ならDOT3で問題ありません。

ブレーキフルード交換の必要性とタイミング

ブレーキフルードは劣化により性能が低下します。車の安全性を維持するためにも、交換の適切なタイミングを把握しておきましょう。

劣化を放置するリスク

ブレーキフルードは吸湿性が高く、空気中の水分を吸収して時間とともに劣化します。フルード内に水分がたまると沸点が低下し、前述のベーパーロック現象を引き起こす危険性があります。

また、劣化したフルードによって車両内部の金属部品が腐食する可能性も無視できません。ブレーキキャリパーやマスターシリンダーなどの重要な部品にさびが発生すると、部品交換が必要になるなど修理費用がかさむことになります。

ブレーキフルードの交換時期

ブレーキフルードは定期的な交換が必要です。一般的には2年ごと、または車検時に換えることが推奨されています。その理由は、ブレーキフルードは吸湿性があり、時間の経過とともに水分を吸収して劣化するからです。劣化したブレーキフルードを使用し続けると、ベーパーロック現象が発生し、最悪の場合はブレーキが効かなくなる危険性があります。

そのため、車両の取扱説明書に記載されている交換推奨時期を確認しましょう。さらに日常点検でフルードの色や状態をチェックし、異常を感じた場合は交換を検討しましょう。

交換タイミングを逃さないために

ブレーキフルードの交換タイミングを守ることは、車の安全性を維持するために欠かせません。まず、車両の取扱説明書を確認し、メーカー推奨の交換時期に従いましょう。前述したように、一般的には2年ごと、または車検ごとが目安です。忘れないように、スマートフォンのリマインダーや記録アプリを活用して交換時期を管理するのも良いでしょう。車検や点検時のタイミングで専門家に状態を確認してもらうと、より安心です。

ブレーキフルードの交換費用

ブレーキフルードの交換にかかる費用は、プロに依頼する場合とセルフで大きく異なります。目安となる金額は以下の通りです。

プロに依頼する場合

ブレーキフルードの交換をプロに依頼する際に発生する費用は、主に工賃とフルード代です。一般的な費用の目安は5,000円~10,000円程度ですが、ディーラーや整備工場によって価格が異なる場合があります。金額はディーラーよりも整備工場の方が安い傾向にあります。プロに依頼すれば、技術面での保証が得られるでしょう。

セルフ交換する場合

自分でブレーキフルードを交換する場合、ブリーダープラグレンチ、キャッチタンク、透明ホース、ブレーキフルードの購入費用がかかります。工具とブレーキフルードの購入費用は、合計で約3,000~5,000円が目安です。セルフ交換は、作業の正確さが求められる上に手間もかかるものの、費用面ではプロに依頼するよりも安くなります。また車のブレーキシステムについて深く理解できるため、足回りのメンテナンススキルも身に付きます。

ブレーキフルードの種類と選び方

車両の性能や使用環境に合わせて、適切なブレーキフルードを選ぶことが重要です。そこで、フルードの種類や選び方を解説します。

ブレーキフルードの種類

すでに解説した通り、ブレーキフルードは規格によって主にDOT3、DOT4、DOT5の大きく3種類に分けられ、以下のように特性が異なります。

・DOT3:一般的な車両向け
・DOT4:大排気量や重量車両、スポーツ走行用車両向け
・DOT5:シリコン系で耐熱性が高く、吸湿性は低い

ブレーキフルードの選び方

適切なブレーキフルードを選ぶには、規格や使用環境、ブランドとレビューを意識してみてください。

1. 車両に合った規格で選ぶ

まず車両の取扱説明書を確認し、適合する規格を確認することが重要です。例えば、DOT3は街乗り向けで、DOT4は高温環境やスポーツ走行向けとなっています。目的に適していない規格を選ぶと、制動性能の低下やシステムトラブルを引き起こす可能性があります。安全な運転を支えるため、車両に合った規格のフルードを使用しましょう。

2. 使用環境に合わせて選ぶ

ブレーキフルードを選ぶ際は、車両の使用環境も意識しましょう。具体的には、以下のポイントを参考にしてください。

・街乗りや通勤が主な場合:一般的な車両向けのDOT3規格のブレーキフルード
・スポーツ走行や過酷な条件での使用:高温環境での性能が向上したDOT4規格のブレーキフルード
・高温多湿の地域や山道での使用:DOT4またはDOT5.1規格のブレーキフルード
・旧車やクラシックカーの場合:ブレーキシステムの素材によってはDOT5が適さない場合があるため、取扱説明書を確認して互換性のあるブレーキフルードを選ぶ

これらの選択基準を参考に、車両の取扱説明書を確認し、使用環境に適したブレーキフルードを選びましょう。

3. ブランドとレビューで選ぶ

初心者が安心して使用するには、国産の純正ブランド品がおすすめです。国内には自動車メーカーの純正品以外にも、WAKO'S、古河薬品工業、DIXCELなどの定番ブランドがあります。購入前にはインターネットや口コミでレビューを確認し、性能や使い勝手を把握しましょう。また価格だけでなく、品質や保証といった要素も考慮することが重要です。

ブレーキフルードのセルフ交換方法

ブレーキフルードをセルフ交換する際は、必要な工具を用意し、安全対策を取った上で作業しましょう。ここでは、交換作業をステップごとに分かりやすく解説します。

準備する物

ブレーキフルードのセルフ交換を行う際には、以下の工具を用意しましょう。

・ブリーダープラグレンチ:ブレーキキャリパーのブリーダープラグを緩めるために使用する
・キャッチタンク:古いブレーキフルードを受け取るための容器
・透明ホース:ブリーダープラグからフルードを排出する際に使用する
・DOT規格に適したブレーキフルード:車両に適した規格の物を選ぶ

作業環境は平坦で安全な場所を選び、十分な明るさを確保してください。安全対策として、ゴム手袋や保護メガネを着用し、車両はジャッキスタンドで確実に固定しましょう。なお、ブレーキラインやオイルラインなどにはフレアナットが使用されているため、フレアナットレンチも用意しておきたいところです。

フレアナットレンチ 8×10mm
フレアナットレンチ 8×10mm
ブレーキラインやオイルラインなどに使用されているフレアナットに使用するメガネレンチです。5面接触なので、しっかりと回すことができます。

セルフ交換の手順

ブレーキフルードの交換は、次の手順で行います。

1. 古いフルードの排出

古いブレーキフルードを排出するには、まずリザーバータンクのフタを開け、フルードの量と状態を確認します。もしもフルードが減っている場合は漏れている可能性があるので、確認をした上で必要に応じて修理しましょう。確認したら、各ブレーキのブリーダープラグに透明ホースを接続し、先端を廃液タンクに誘導してください。

次に、プラグを少し緩め、ブレーキペダルをゆっくり踏んでフルードを排出します。この際、リザーバータンクが空にならないよう、新しいフルードを適宜補充しましょう。作業はマスターシリンダーから最も遠いホイールから、右ハンドルの場合は左後輪→右後輪→左前輪→右前輪の順に行います。フルードの排出には以下のホースがおすすめです。

シリコーンチューブ 4mm×7mm×1m
シリコーンチューブ 4mm×7mm×1m
ブレーキのエア抜きやフルード交換作業に適した、シリコーン製のホースです。熱や薬品に強く、耐候性にも優れています。
ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ブレーキやクラッチフルードのエア抜き作業に使用するワンウェイバルブです。

2. 新しいフルードの補充

古いフルードの排出中は、リザーバータンクのフルード量を常に確認し、最低レベルを下回らないよう新しいフルードを補充します。作業終了後、リザーバータンクのMAXとMINの間まで入っていることを確認し、フタをしっかり閉めましょう。作業の際にフルードが塗装に付着すると、車体の塗装面が変色する恐れがあるため注意が必要です。万が一付着した場合は、すぐに拭き取りましょう。

ブレーキフルードの補充を効率よく進めるには以下の補給器がおすすめです。

ブレーキフルード補給器
ブレーキフルード補給器
ブレーキフルード交換やエア抜き作業の際、リザーブタンクに設置し、自動的にフルード供給を行う補給機です。締め込み式のステーにより、しっかりと固定できます。

3. エア抜き作業

新しいフルードを補充した後は、エア抜き作業を行います。まず、再度ブリーダープラグを少し開け、透明ホースを接続した状態でブレーキペダルをゆっくり踏み、ホース内の空気を抜きます。ホース内の気泡が完全に消えるまで、この作業を繰り返してください。エアが抜けたことを確認できたら、ブレーキの効きに影響するためプラグを確実に締め直しましょう。

エア抜きの作業性と確実性を高めるには、以下の商品がおすすめです。

ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ブレーキやクラッチフルードのエア抜き作業に使用するワンウェイバルブです。

4. 最終確認と片付け

ブレーキフルードの交換作業を終えたら、次にリザーバータンク内のフルード量を確認します。規定の適量が保たれていることを必ずチェックしてください。そして、全てのブリーダープラグや作業中に取り外したパーツが確実に締められているかを点検します。

工具を片付けた後、試運転を行い、ブレーキの効きを確かめましょう。試運転中に違和感や異常があれば、すぐに再点検するかプロの整備士に相談してください。

ブレーキフルードの交換手順は以下の記事も参考になるので、併せて確認してください。

ブレーキフルードの交換をしよう!

セルフ交換時の注意点

ブレーキフルードをセルフで交換する際には、安全な作業環境と適切な手順が不可欠です。ここでは、作業環境や安全対策、フルードの取り扱いに関する注意点を解説します。

作業環境の安全対策

車両は必ず平坦な場所に停め、動かないよう輪留めを使用してください。作業箇所が十分に見えるよう、自然光や作業灯で明るさを確保しましょう。特に屋外では天候の変化に注意が必要です。また使用する工具や部品は手の届きやすい位置に配置しましょう。

作業中の安全対策

作業中はゴム手袋や保護メガネを着用し、ブレーキフルードが肌や目に触れないよう注意してください。ブレーキシステムに異常が見られる場合は無理に作業を続けず、ディーラーや整備工場などに相談しましょう。

ブレーキフルードの取り扱い

ブレーキフルードは吸湿性が高く、開封すると空気中の水分を吸収するため、早めに使い切ることが重要です。また既述の通り、塗装面に付着すると塗装が剥がれる可能性があるため、取り扱いには十分注意してください。使用済みのフルードは環境に配慮し、自治体の規定に従って適切に廃棄しましょう。

おすすめの商品紹介

最後に、ブレーキフルードの交換に役立つ、アストロプロダクツが提供するおすすめの商品を紹介します。

ブレーキブリーダーキット VB123

簡単にエア抜き作業を行えるアイテムです。操作性に優れた設計で、コンプレッサーとの組み合わせにより効率的かつ正確な作業が可能になっています。セルフメンテナンスでコストを抑えたい人に最適です。

・キット内容:本体(負圧ガン、廃油タンク、ブリーダーホース、ブリーダーノズル)、補給タンク、R1/4エアプラグ
・本体サイズ:W250×D125×H190mm
・本体重量:420g
・ブリーダーホース長:約1m

ブレーキブリーダーキット VB123
ブレーキブリーダーキット VB123
ブレーキフルードの交換を、一人でも簡単にできるブリーダーキットです。エアコンプレッサーと接続しレバーを握るだけで、負圧によりブレーキフルードを吸い出します。

ブレーキフルード補給器

取り扱いが簡単で自動的にフルードを補充してくれる補給器です。流量調節コックで適量を無駄なく注ぐことができ、締め込み式のステーでしっかり固定できます。

・全長:275mm
・重量:440g
・タンク容量:1000ml

ブレーキフルード補給器
ブレーキフルード補給器
ブレーキフルード交換やエア抜き作業の際、リザーブタンクに設置し、自動的にフルード供給を行う補給機です。締め込み式のステーにより、しっかりと固定できます。

パワーブレーキフルード4.2 1L RGP-4210

高い耐熱性と安定性を備え、スポーツ走行や過酷な条件下でも優れた制動力を発揮します。車両の性能を引き出したい人におすすめのブレーキフルードです。交換サイクルは純正同等となっており、コストパフォーマンスにも優れています。

・内容量:1000ml
・米国連邦規格:DOT4
・ドライ沸点:265度(平衡還流沸点)
・ウエット沸点:162度

パワーブレーキフルード4.2 1L RGP-4210
パワーブレーキフルード4.2 1L RGP-4210
レーシングギアのパワーブレーキフルード4.2です。N1レースの過酷な条件下でテスト開発。DOT5ベースからフィードバックしたクオリティーはストリートからサーキットまであらゆるシーンで幅広く対応できます。

ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース

効率的にエア抜きができる便利なツールです。一方向バルブ付きで逆流を防ぎ、一人でも楽に作業できる設計が魅力です。

・全長:550mm
・重量:30g
・ホース(太):内径6×外径9mm
・ホース(細):内径5×外径7mm

ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ワンウェイバルブ ブレーキブリーダー ホース
ブレーキやクラッチフルードのエア抜き作業に使用するワンウェイバルブです。

まとめ

ブレーキフルードの交換は車の安全性を支える重要な作業です。基本的には2年ごと、または車検ごとの交換が推奨されています。DIYで挑戦する際は、必要な工具や知識をそろえ、手順を守りましょう。アストロプロダクツでは、初心者からプロまで使えるツールを手頃な価格でそろえています。この機会にぜひ、ブレーキフルードの交換に必要なアイテムをチェックしてみてください。

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