DIY メンテナンスガイド

タイヤ交換
チャレンジ

工賃を浮かせて、愛車をもっと知る。
手順と必要な工具をまとめました。

タイヤ交換特集

車の下に潜らない。ジャッキは「上げる道具」です

ジャッキは車を持ち上げるための道具で、支え続けるための道具ではありません。油圧は抜けます。持ち上げたら必ずリジッドラックを掛け、ジャッキだけで支えた状態で車体の下に手や体を入れないでください。作業は平坦で固い地面の上で行います。

1

まずは車を動かなくする

準備

平坦で固い場所に停め、サイドブレーキをかけ、AT車はP・MT車はギアを入れます。そのうえで交換しない側のタイヤに輪止めを噛ませます。ジャッキアップ中の車はわずかな傾きでも動き出すことがあり、これが一番の事故要因です。砂利や傾斜のある場所では作業しないでください。

輪止め

対角ではなく、交換する車輪の対角にある車輪の前後を挟むように置きます。車幅とタイヤ幅に合うサイズを選びます。

あると便利

タイヤ交換はしゃがみ姿勢が続きます。膝を守るマットがあると疲れ方が変わりますし、外したホイールの下敷きにもなります。

2

上げる前にやっておく

ナットを緩める

タイヤが接地している状態で、ホイールナットを1/4回転ほど緩めます。完全には外しません。浮かせてから緩めるとタイヤが空転して力がかからず、無理に回すと車体が揺れてジャッキが外れる危険があります。

レンチ

4輪となるとナットは16〜20個。いまは充電式インパクトレンチで緩めるのが主流です。手回しの何倍も速く、固着したナットも一撃で緩みます。手動で回すなら、17・19・21mmを1本でまかなえるクロスレンチが定番です。

ソケット

インパクトレンチとトルクレンチは本体だけでは使えません。ホイールナットの二面幅(17・19・21mm が主流)に合うソケットを別途そろえてください。差込角は 1/2DR(12.7mm)が標準です。アルミホイールを傷つけないよう、プラスチックカバー付きのホイール専用品を選びましょう。

ホイール用ソケットをもっと見る →

迷ったらロングを選ぶ

最近のアルミホイールはリムが深く、標準の長さではナットまで届かずエクステンションバーの継ぎ足しが必要になることがあります。継ぎ足すとガタつき、トルクも正確に伝わりません。全長150mmのロングなら1本で届き、トルクレンチを回すときも手がタイヤに当たらず作業しやすくなります。

締めるときは電動を使わない

緩めるのはインパクトで構いませんが、締め付けは必ずトルクレンチで仕上げます(STEP 5)。インパクトで締めると管理できないトルクがかかり、ボルトの破断やホイールの歪みにつながります。仮締めまでを電動、本締めは手作業と覚えてください。

3

ここが一番危ない

ジャッキアップ

車体にはジャッキアップポイントという補強された指定位置があります。ここ以外を持ち上げると車体が凹んだり、ジャッキが滑って落下します。位置は車種ごとに違うので、必ず取扱説明書で確認してください。持ち上げたら、すぐにリジッドラックを掛けて荷重を預けます。

ジャッキ

選ぶ基準は4つ。耐荷重(車重に対する余裕)、最低位(車体の下に入るか)、最高位(タイヤが浮くまで上がるか)、そして材質です。車高が低い車ほど最低位が効いてきます。

車種耐荷重の目安
軽自動車1.5t 以上
コンパクトカー2t 以上
セダン2.5t 以上
SUV・RV3t 以上

※ 材質はスチール=安価で頑丈だが重い、アルミ=軽くて持ち運びやすいが高価、ハイブリッド=その中間。サーキットや出張作業に持ち出すならアルミが有利です。

ジャッキ比較表

耐荷重・最低位・最高位・重量・材質を一覧で比べられます。横にスクロールしてご覧ください。

リジッドラック

ジャッキアップ後に車体を支えるスタンドです。省略できません。2脚1組で使い、ジャッキをゆっくり下げて荷重を完全に預けてから作業に入ります。ジャッキの最低位と同じく、最低位が車体の下に入るかを確認して選んでください。

あると便利

車高が低くてジャッキが車体の下に入らない場合は、先にスロープで前輪を上げてから作業します。

4

重いので慎重に

タイヤの脱着

緩めておいたナットを外し、古いタイヤを引き抜きます。新しいタイヤをハブに合わせ、ナットを手で回るところまで入れてから、対角線の順で軽く仮締めします。この時点では本締めしません。ホイールとハブの当たり面にサビや汚れがあれば落としておくと、走行後の緩みを防げます。

あると便利

輸入車に多いホイールボルト式は、ナット式と違ってホイールを支えながらボルトを入れる必要があり、ひとりでは位置合わせが難しい作業です。

5

感覚で締めない

本締め

リジッドラックを外し、ジャッキを下げてタイヤを接地させてから本締めします。浮いたまま締めるとホイールが正しく密着しません。順番は対角線。トルクレンチが「カチッ」と鳴ったらそこで止め、それ以上は回さないでください。

締めすぎも緩みと同じくらい危険です

力任せに締めるとボルトが伸びて破断します。適正トルクは車種によって異なるので、必ず取扱説明書の指定値に従ってください。乗用車では 100Nm 前後が一般的です。また、走行によってナットは馴染んで緩みます。交換後50〜100kmを目安に、もう一度増し締めしてください。

トルクレンチ

設定トルクに達すると音と手応えで知らせる工具です。タイヤ交換だけなら200Nmまでのモデルで足ります。ソケットは STEP 2 でそろえたもの をそのまま使えます。

6

走り出す前に

空気圧の確認

保管していたタイヤは空気が抜けています。適正値は運転席ドアの開口部に貼られたラベルに書かれているので、その値に合わせてください。空気圧が不足すると、燃費の悪化だけでなく偏摩耗やバーストの原因になります。

エアゲージ

あると便利

タイヤを外したこのタイミングは、溝の残りを測る絶好の機会です。スリップサインが出てからでは遅いので、数値で把握して次の交換時期を判断しましょう。

作業前に必ずお読みください

ジャッキだけで車体の下に入らない

ジャッキは持ち上げるための道具で、支え続けるための道具ではありません。油圧は抜けます。必ずリジッドラックを掛けてから手足を車体の下に入れてください。

作業する場所を選ぶ

平坦で固く水平な場所で作業してください。傾斜地・砂利・柔らかい土の上は不可です。ジャッキやリジッドラックが沈み込み、車体が傾いて落下します。

トルク値は車種の指定に従う

適正トルクは車種ごとに決まっています。締めすぎはボルトの破断、緩みは脱輪につながります。必ず取扱説明書で指定値を確認してください。

交換後の増し締め

走行するとナットが馴染んで緩みます。交換後50〜100kmを目安に、もう一度トルクレンチで増し締めしてください。この一手間が脱輪事故を防ぎます。

※ 本ページの手順は一般的な作業の流れを紹介するものです。ジャッキアップポイント・適正トルク・指定空気圧は車種によって異なりますので、作業前に必ずご使用の車両の取扱説明書と、各工具の取扱説明をご確認ください。作業の結果を保証するものではありません。

工具の選び方でわからないことがあれば、お問い合わせフォームまたは、お近くの店舗スタッフにお気軽にご相談ください。

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