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DIY メンテナンスガイド
エンジンオイル
交換チャレンジ
必要な道具の選び方から、
廃油の処理まで。
作業に入る前に
交換時期と、抜き方の選択
エンジンオイルは走行とともに劣化し、汚れを抱え込みます。交換を怠るとエンジン内部の摩耗が進み、最悪の場合は焼き付きます。DIYで最も費用対効果が高いメンテナンスがこれです。
交換時期の目安
| 車種・使い方 | 交換の目安 |
|---|---|
| ガソリン車(標準) | 15,000km または 1年 |
| ガソリン車(シビア) | 7,500km または 6か月 |
| ターボ車(標準) | 5,000km または 6か月 |
| ターボ車(シビア) | 2,500km または 3か月 |
| オイルフィルター | オイル交換 2回に1回 |
※ シビアコンディションとは、短距離の繰り返し・悪路走行・山道の多用など。街乗り中心の方は該当することが多いので、短いほうの目安で考えてください。正確な指定値は車両の取扱説明書をご確認ください。
下から抜くか、上から吸うか
オイルの抜き方は2通りあります。ここで必要な道具が変わりますので、先に決めておきましょう。このページはドレンプラグを外す下抜きを主な流れとして解説します。
下抜き(ドレンプラグ)
車体の下に潜り、オイルパンのドレンプラグを外して抜く方法です。古いオイルをほぼ完全に排出でき、オイルフィルターも同時に交換できます。ジャッキアップが必要になります。
上抜き(オイルエキストラクター)
レベルゲージの穴からホースを差し込み、ポンプで吸い出す方法です。車体の下に潜らずに済むのが最大の利点で、ジャッキアップも不要。集合住宅の駐車場でも作業しやすくなります。ただしオイルパンの底に少量残り、フィルター交換は結局下から行うことになります。
上抜きができない車種もあります
レベルゲージの管が細い、曲がりが強いなどでホースが入らない場合があります。またレベルゲージ自体がない車種も増えています。確実なのは下抜きです。上抜きの道具は STEP 2 の最後にまとめています。
ここが一番危ない
ジャッキアップ
水平で固い場所に停め、車両の取扱説明書で指定されたジャッキアップポイントにジャッキを当てて持ち上げます。指定位置以外を持ち上げると車体が凹んだり、ジャッキが滑って落下します。
持ち上げたら、すぐにリジッドラックを掛けて荷重を預けます。ジャッキとリジッドラックの選び方は タイヤ交換特集のSTEP 3 で詳しく解説しています。
ジャッキだけで車体の下に潜らない
ジャッキは持ち上げるための道具で、支え続けるための道具ではありません。油圧は抜けます。必ずリジッドラックを掛けてから下に入ってください。傾斜地・砂利・柔らかい土の上では作業しないでください。
オイルの温度について
オイルは温まっているほうが流動性が高く、よく抜けます。冷間からなら5〜10分の暖機か、軽く走ってから作業すると排出が速く進みます。
ただし走行直後は危険です。オイルは80℃以上あり、ドレンプラグを緩めた瞬間に手にかかると重い火傷になります。長距離を走った直後なら30分〜1時間ほど冷ましてください。触れて「少し熱い」と感じる程度が作業に最適な温度です。マフラーや排気管も高温なので注意してください。
あると便利
車高が低くジャッキが入らない場合は、スロープで前輪を上げるだけでも作業スペースを確保できます。オイルは皮膚から吸収されるので、手袋も用意しましょう。
この工程が一番汚れる
オイルを抜く
エンジン最下部のオイルパンの下にオイル受けを置き、ドレンプラグをレンチで緩めます。一度緩めば手で回せますが、外れた瞬間にオイルが勢いよく飛び出すので、それを見越して受けの位置を決めてください。真下ではなく、少し飛ぶ方向にずらすのがコツです。
先にエンジン上部のオイルフィラーキャップを開けておくと、空気が入って排出が速くなります。抜けきるまで10〜15分ほどかかるので、その間にフィルターの準備をしておくと効率的です。
オイル受け
乗用車のオイル量は 3〜5L が一般的なので、余裕を見た容量を選んでください。外したドレンプラグやフィルターを置けるネット付きだと、作業中に部品を汚れたオイルの中へ落とさずに済みます。
オイルパンスクエア 6L ネット付
まずはこれ。ネットの上でフィルターのオイル切りができ、外したドレンプラグの置き場にもなる。廃油排出口付き
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オイルパン 7L
持ち手とノズル付きで、受けたオイルをそのまま処理ボックスへ移せる。こぼしにくい
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ツールトロリー&オイルパン8L
転がして位置を微調整できる。重ねればキャスター付きオイルパンになり、工具置きにもなる
商品を見る →ドレンプラグを緩める工具
国産車のドレンプラグは 14・17・19mm あたりの六角が主流で、手持ちのメガネレンチやソケットでそのまま回せます。狭い場所では、口が開いてナメやすいスパナよりもメガネレンチのほうが確実に力が伝わります。
※ 一部の輸入車には六角穴・四角・トリプルスクエアなど特殊な形状のドレンプラグがあり、その場合は 専用のオイルドレンソケット が必要です。まずはご自身の車のプラグ形状を確認してください。
あると便利
ドレンプラグは最後の一回転を手で外すことになります。ここで熱いオイルが手を伝い、そのうえプラグを取り落として、熱い廃油の中から拾う羽目になる ── これがこの工程の定番の失敗です。
上抜きでやる場合
ジャッキアップせずに済ませたい場合は、レベルゲージの穴からポンプで吸い上げます。暖機してオイルが柔らかいうちに行うと吸い上げが速く進みます。
オイルエキストラクター 6L OE582
ポンプで負圧を作って吸い出す手動式。乗用車1台分をタンクに溜められる容量で、受け皿が別に要らない
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オイルエキストラクター 1.6L OE469
コンパクトな小容量タイプ。バイクや発電機など、オイル量の少ないものに
商品を見る →2回に1回でいい
オイルフィルター交換
フィルターはオイル中の金属粉やスラッジを漉し取る部品です。詰まると濾過されないオイルがそのまま循環するため、オイル交換2回につき1回を目安に交換します。外すときもオイルが流れ落ちるので、下に廃油受けを置いてから作業してください。
取り付ける前に、新しいフィルターのOリング(ゴムパッキン)に新しいオイルを薄く塗ります。これを省くとパッキンがねじれて、締めても漏れます。手で締まるところまで回し、そこから 3/4回転 ほど増し締めすれば十分です。工具で締めすぎると次回外せなくなります。
フィルターレンチ
フィルターは手では緩みません。専用工具が必要です。カップ型は車種ごとに径と角数が決まっているので、適合サイズを事前に調べてください。サイズが分からない、または何台か扱うなら、サイズを選ばないタイプが確実です。
3JAW オイルフィルターレンチ
サイズを選ばない3ツメ式。適合が分からなくても使え、締めるときにも使える。1/2DR変換アダプター付き
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オイルフィルターカップレンチ 64mm 14角
被せて回すカップ型。狭い場所でも確実に力が伝わり、フィルターを潰さない。適合サイズが分かっているなら一番確実
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オイルフィルターカップレンチセット(23点組)
国産から輸入車まで幅広く対応。複数台を扱うならこれ1つ。買い足しの手間がなくなる
商品を見る →フィルターの適合は事前に調べる
カップレンチは 径(mm)と角数 の両方が合わないと使えません。フィルター本体に刻印がある場合もありますが、確実なのは車種から適合を調べておくことです。当日サイズが違って作業が止まる、というのがDIYで最も多い失敗です。フィルター本体も忘れずに用意してください。
あると便利
フィルターにはオイルが満たされたまま残っています。外した瞬間に垂れて、エンジンの下回りやメンバーを伝って広がるのが、この工程で一番やっかいなところです。
漏れるかどうかはここで決まる
ドレンプラグを締める
オイルが抜けきったら、ドレンプラグをパーツクリーナーで洗って汚れを落とし、新しいワッシャーに交換してから締めます。この2つを省くと、あとから滲みが出ます。
ドレンワッシャー
ドレンワッシャー(ドレンパッキン)は毎回交換する消耗品です。締め付けで潰れて密着する部品なので、再利用すると密着しきらず漏れます。プラグの径に合うサイズを、あらかじめ買っておいてください。
銅ワッシャー M14(5枚入)
乗用車のドレンプラグに多いサイズ。銅製で密着性がよく、5枚入りなので数回分をまとめて持てる
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銅ワッシャー M8(5枚入)
バイクや小径のドレンプラグ向け。バンジョーボルトのシールにも使える
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ブレーキ&パーツクリーナー 840mL WT840
プラグとオイルパンの当たり面の油分を落とす。脱脂しておくと、あとから滲みが出たときにすぐ気づける。逆さでも噴射できる
商品を見る →トルクレンチ
ドレンプラグの締め付けは感覚でやってはいけない工程です。オイルパンはアルミ製が多く、強く締めるとネジ山を潰します。こうなるとオイルパンごと交換になり、DIYの節約が一度で吹き飛びます。適正トルクは車種によりますが 30〜40Nm 前後が目安で、正確な値は取扱説明書で確認してください。
3/8DR トルクレンチをもっと見る →入れすぎに注意
新しいオイルを入れる
注入する前に、車をジャッキから下ろして水平に戻します。傾いたままではレベルゲージが正しく読めず、量を見誤ります。
取扱説明書で規定量を確認し、まず 2/3 ほど入れて、そこからレベルゲージで確認しながら少しずつ足していきます。一度に全量を入れないでください。フィルターを交換したかどうかでも必要量は変わります。
入れすぎは不足と同じくらい悪い
量が多すぎるとクランクシャフトがオイルを撹拌して泡立ち、泡は油膜を作れないため潤滑不良になります。白煙やオイル漏れの原因にもなります。ゲージの上限(F)と下限(L)の間に収めるのが正解で、上限ぎりぎりを狙う必要はありません。
注入の道具
オイル缶から直接注ぐとまず溢れます。目盛りの付いたジョッキで量を測りながら入れるか、給油口に挿すファンネルを使ってください。
オイルジョッキ 1L〜5L
目盛りがあるので入れた量が分かる。ノズルと本体にフタが付き、余ったオイルをそのまま保管できる
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ユニバーサル オイルファンネル
ホルダーが給油口に固定されるので両手でジョッキを扱える。下半分が透明で流れと残量が見える
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量と漏れの確認
フィラーキャップを閉め、少し暖機運転をしてオイルをエンジンとフィルターに行き渡らせます。いったんエンジンを止め、5分ほど待ってオイルがオイルパンに落ちきってから、レベルゲージで最終確認します。すぐに測ると実際より少なく見えます。
最後にドレンプラグとフィルターの周りに滲みがないかを目視してください。作業後1日置いて、駐車場所に染みが出ていないかもう一度見ておくと安心です。レベルゲージがなく、メーターで確認する車種もあります。
清掃
こぼれたオイルは高温部に付くと発煙・発火の原因になります。エンジン周りに垂れた分は必ず拭き取ってください。
ここまでがオイル交換
廃油の処理
抜いた廃油は絶対に下水・側溝・地面に流さないでください。水質汚濁防止法に触れるうえ、少量でも広範囲を汚染します。もっとも手軽なのは、吸収材入りの処理ボックスに吸わせて可燃ごみに出す方法です(お住まいの自治体の分別ルールを必ず確認してください)。
オイル量に対して処理ボックスの容量が足りないと溢れます。抜いた量より大きい容量を選んでください。
オイル処理ボックス 4.5L
まずはこの容量。オイル量3〜5Lの乗用車をカバーできる。箱を開けて袋に注ぐだけ、吸収材と結束バンド付き
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オイル処理ボックス 6.5L
オイル量の多い大排気量車やディーゼル車に。フィルターも一緒に入れたい場合はこちら
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オイル処理ボックス 2.5L
バイクや軽自動車など、オイル量が少ない場合に。上抜きで一部だけ交換したときにも
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外したフィルターを切ってみる
交換して捨てるだけだったオイルフィルターですが、切って中を開くと、エンジンの内部で何が起きているかが分かります。ろ紙のヒダにキラキラした金属粉が付着していないかを見てください。多量に出ているなら、どこかが異常に摩耗しているサインです。まだ症状が出ていない段階で気づけるのは、自分で交換している人だけの利点です。
実務的な効果もあります。カートリッジ式フィルターは金属ケース・ろ紙・ゴムパッキンの複合物で、そのままでは捨てにくい部類のごみです。切断して素材ごとに分ければ、それぞれ分別して処分できます。
※ 切断面は鋭利です。手袋を着けて作業し、内部に残ったオイルは処理ボックスに入れてください。分別方法は自治体により異なります。
作業前に必ずお読みください
火傷に注意
走行直後のオイルは80℃以上あります。長距離を走った直後は30分〜1時間ほど冷ましてから作業してください。マフラー・排気管・ラジエーターも高温です。
ジャッキだけで下に潜らない
下抜きでは車体の下に入ります。必ずリジッドラックを掛けてください。ジャッキは持ち上げる道具で、支え続ける道具ではありません。水平で固い場所で作業します。
締めすぎない
ドレンプラグを締めすぎるとオイルパンのネジ山を潰し、オイルパンごと交換になります。フィルターも締めすぎると次回外せません。トルクレンチで規定値に従ってください。
廃油は流さない
廃油・廃フィルターを下水や地面に流す・捨てることは法令に触れます。吸収材で処理するか、回収してくれる業者に依頼してください。処分方法は自治体により異なります。
※ 本ページの手順は一般的な作業の流れを紹介するものです。オイルの規定量・粘度・指定規格、ドレンプラグの締付トルク、フィルターの適合は車種によって異なりますので、作業前に必ずご使用の車両の取扱説明書をご確認ください。作業の結果を保証するものではありません。
工具の選び方でわからないことがあれば、お問い合わせフォームまたは、お近くの店舗スタッフにお気軽にご相談ください。