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DIY メンテナンスガイド
クルマの日常点検法定15項目のやり方と判断基準
月に一度、10分。
どこを見て、何で判断するか。
身構えなくていい
日常点検とは
日常点検は、道路運送車両法で定められた15項目の点検です。整備工場に出す車検や法定点検とは違い、使用者自身が行うもので、特別な資格も工具もいりません。全項目を見ても10〜15分で終わります。
毎日やる必要はありません
「日常」という名前から毎日の義務と思われがちですが、自家用車は「走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期」に実施と定められています。目安は月に1回。加えて、長距離を走る前や高速道路に乗る前に見ておくと安心です。(毎日の点検が義務なのは、バスやトラックなどの事業用自動車です)
点検は3つの場所に分かれています。この順に進めれば、行ったり来たりせずに終わります。
| 点検する場所 | 項目数 |
|---|---|
| エンジンルームを開けて | 5項目 |
| クルマのまわりから | 4項目 |
| 運転席に座って | 6項目 |
※ 点検項目は国土交通省の「自動車の点検及び整備に関する手引」に基づく、自家用乗用自動車の日常点検項目です。
異常が見つかったら、そこで止める
日常点検は異常を見つけるための点検であって、直すためのものではありません。液量が減り続ける、ブレーキの効きがおかしい、異音がする——こうした症状はどこかが壊れているサインです。補充だけして乗り続けず、整備工場に相談してください。
5項目
エンジンルームを開けて
液量の点検が中心です。ほとんどのタンクは半透明で、横から見るだけで分かります。水平な場所に停め、エンジンを止めてから見てください。傾いていると正しく読めません。
エンジンが熱いうちは開けない
走行直後のエンジンルームは高温です。ラジエーターキャップは絶対に開けないでください。加圧された熱湯が噴き出します。冷却水はリザーバータンク(半透明の補助タンク)を横から見るだけで点検できます。
見かたと判断基準
| 点検項目 | 判断基準 |
|---|---|
| ① ブレーキ液の量 | MAX と MIN の間 |
| ② 冷却水の量 | FULL と LOW の間 |
| ③ エンジンオイルの量 | ゲージの上限と下限の間 |
| ④ バッテリー液の量 | UPPER と LOWER の間 |
| ⑤ ウインドウォッシャー液の量 | 不足していないこと |
※ 表記はメーカーによって異なります(MAX/MIN、F/L、UPPER/LOWER など)。いずれも2本の線の間にあることが正常です。
ブレーキ液が減っていたら、補充より先に疑う
ブレーキ液は本来ほとんど減りません。減っているなら、漏れているか、ブレーキパッドが摩耗しています。パッドが減るとピストンが押し出され、そのぶん液面が下がるためです。補充して済ませず、原因を確認してください。
オイルレベルゲージは、一度拭いてから挿し直す
抜いたままのゲージには油が跳ねて付いており、正しい位置が読めません。ウエスで一度拭き、奥まで挿し直してから、もう一度抜いて読みます。量が下限に近い、または前回より明らかに減っているなら交換の時期です。詳しくは エンジンオイル交換チャレンジ をご覧ください。
必要な道具
エンジンルームは奥が暗く、タンクの目盛りが読めないことがよくあります。照らせるかどうかで、点検の精度が変わります。
COB 充電式スティックライト WL744
細身でエンジンルームの奥に差し込める。マグネットで貼り付ければ両手が空く。先端にもLEDが付き手元も照らせる
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ショップタオル ブルーロール 55枚
オイルレベルゲージを拭くのに使う。一度拭いてから挿し直さないと正しい量が読めない。使い捨てできる
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ニトリルグローブ
ブレーキ液は塗装を侵し、皮膚にも刺激がある。液に触れる可能性がある点検では着ける
商品を見る →あると便利
バッテリーは弱っていても、上がる直前まで普通に始動します。「かかるから大丈夫」では判断できません。電圧を測れば、交換時期が数値で分かります。
4項目
クルマのまわりから
タイヤが3項目を占めます。路面と接しているのはハガキ1枚ほどの面積で、そこがすべての操作を支えています。日常点検で最も重要な箇所です。
見かたと判断基準
| 点検項目 | 判断基準 |
|---|---|
| ⑥ タイヤの空気圧 | 運転席ドア開口部のラベルの指定値 |
| ⑦ タイヤの亀裂・損傷・異常な摩耗 | 亀裂、釘の刺さり、片減りがないこと |
| ⑧ タイヤの溝の深さ | 1.6mm 以上(スリップサインが出たら交換) |
| ⑨ ランプ類の点灯・点滅、レンズの汚れ・損傷 | すべて点灯し、レンズが割れていないこと |
※ 溝の深さ1.6mmは保安基準の限度です。この状態で走ると整備不良になります。限度に達する前の交換を前提に、残り溝を数値で把握しておいてください。
空気圧は「見た目」では分かりません
タイヤは自然に空気が抜けていきます。目視で分かるほど凹んでいる時点で、かなり不足しています。不足すると燃費が悪化し、偏摩耗やバーストの原因にもなります。月に一度、ゲージで測ってください。
必要な道具
ミニタイヤゲージ
小型で携帯しやすい簡易タイプ。車に積んでおけば、給油ついでに測れる。まず1本ならこれ
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エアタイヤゲージ フレキシブルホース
ホースが柔軟でバルブの向きを選ばない。ホイールの奥まったバルブにも届く
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エアタイヤゲージ蓄光タイプ TG102
蓄光式で暗所でも読める。コンプレッサーがあればエア充填もできる
商品を見る →空気が足りなかったら
指定空気圧は冷間時(走行前)の値です。ガソリンスタンドまで走ると、タイヤが温まって圧力が上がり、正確な調整ができません。自宅で測って、その場で入れられるのが理想です。充電式なら電源のない駐車場でも使えます。
充電式 ハンディインフレーター
最大995kPa・重量400gで、USB Type-C充電。設定圧に達すると自動で止まるので入れすぎない。LEDライト付きで夜間も使える。米式・仏式に対応し、ボールや浮き輪にも
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DC18V 充電式 エアインフレーター IF945
最大1100kPa・吐出25L/minと余裕があり、195/65R15なら約1分15秒。パネルで圧力を設定して自動停止。DC18Vシリーズのバッテリーを共用できる
商品を見る →あると便利
溝はスリップサインが出てからでは手遅れです。数値で記録しておけば、あと何か月もつかが見えます。
ミニデプスゲージ
キーリング付きで携帯できる。給油ついでに測れる手軽さ
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デジタル デプスゲージ DG017
デジタル表示で読み取りやすい。摩耗の進み方を記録して比べられる
商品を見る →ランプの点検はひとりでもできます
壁やシャッターに向けて停め、反射を見ればブレーキランプもひとりで確認できます。夜間ならなお分かりやすくなります。球切れが見つかったら、ヒューズ切れの可能性もあります。空気圧が不足していた場合の対処や、タイヤ交換の手順は タイヤ交換チャレンジ をご覧ください。
6項目
運転席に座って
ここは道具がいりません。いつもと違わないかを確かめる点検です。毎回同じ手順で確認していると、変化に気づけるようになります。
見かたと判断基準
| 点検項目 | 判断基準 |
|---|---|
| ⑩ ブレーキペダルの踏みしろ・効き | 床板とのすき間があり、踏み応えが普段どおり |
| ⑪ パーキングブレーキの引きしろ | 引きしろが多すぎず少なすぎない |
| ⑫ ウインドウォッシャーの噴射状態 | ガラスの適切な位置に噴射される |
| ⑬ ワイパーの拭き取りの状態 | すじや拭き残しが出ない |
| ⑭ エンジンのかかり具合・異音 | スムーズに始動し、異音がない |
| ⑮ エンジンの低速・加速の状態 | アイドリングが安定し、加速がスムーズ |
ブレーキペダルが床に近いと感じたら、乗らない
踏みしろが深くなった、踏み応えがスカスカする、じわじわ沈む——いずれもブレーキ系統の異常のサインです。STEP 1 でブレーキ液が減っていた場合と併せて、その場で整備工場に相談してください。自走を続ける判断はしないでください。
交換で直せるもの
ワイパーのすじ残しと球切れは、この15項目のなかで数少ない「自分で直せる異常」です。見つけたその日に交換できるよう、備えておくと安心です。
ワイパーブレード 300〜650
Uクリップ式のほとんどの国産車に対応。拭きムラが出たら交換のサイン。長さは今付いているものを測って選ぶ
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ヒューズ
ランプが点かないときは球切れだけでなくヒューズ切れの可能性もある。アンペア数を変えて付けてはいけない
商品を見る →もう一歩
記録すると、点検が予測に変わる
点検した日と数値を残しておくと、次の点検で「前回より減っている」「摩耗が速い」という変化が見えます。一度きりの点検では「基準内かどうか」しか分かりませんが、記録があればいつ交換が必要になるかを予測できます。
とくにタイヤの残り溝、バッテリーの電圧、オイルの減り方は、記録の価値が大きい項目です。異常が起きてから気づくのではなく、起きる前に手を打てるようになります。
点検の前に必ずお読みください
水平な場所で、エンジンを止めて
傾いた場所では液量が正しく読めません。平坦な場所に停め、エンジンを止め、パーキングブレーキをかけてから点検してください。
熱いエンジンルームに触れない
走行直後は高温です。ラジエーターキャップは絶対に開けないでください。加圧された熱湯が噴き出します。冷却水はリザーバータンクを外から見て確認します。
異常は補充で済ませない
液量が繰り返し減るのは、どこかが漏れているか部品が摩耗しているサインです。とくにブレーキ液の減りは要注意。補充して乗り続けず、整備工場に相談してください。
これは車検・法定点検の代わりではありません
日常点検は使用者が行う15項目の点検です。12か月点検・24か月点検(車検)とは別のもので、これらを省略することはできません。
※ 点検項目は国土交通省「自動車の点検及び整備に関する手引」に基づく自家用乗用自動車の日常点検項目です。液量の表記位置・指定空気圧・ワイパーの寸法などは車種によって異なりますので、点検の前に必ずご使用の車両の取扱説明書をご確認ください。本ページは一般的な点検方法を紹介するもので、車両の状態を保証するものではありません。
工具の選び方でわからないことがあれば、お問い合わせフォームまたは、お近くの店舗スタッフにお気軽にご相談ください。